OBROS COFFEE

2019/09/16 15:04

※こちらの記事は前サイトにて2019/5/26に掲載したものを再掲載しております。





インタビュー第5弾は夢紘さん、稚季さん。3年前郡山に彗星のごとく現れたOBROS COFFEE。居心地がよく洗練された空間と最高品質で提供されるコーヒーに、「開業したのは20代の若い兄弟!?」と驚いた事を覚えています。お二人にはどんなストーリーやビジョンがあったのでしょうか。これまでのこと、そしてこれからの事について聞いてみました。


- 開業当時、夢紘さんは26歳、稚季さんは22歳。どうしてその若さで完成度の高いコーヒーショップを開業できたのでしょう。開業までの経歴について教えてください。


夢紘さん(以下 夢) : 僕は高校卒業後、エクセルシオールカフェに就職しました。それから転職後、開業に向けて動き始めました。店舗の空間づくりにはインテリアの知識が必要と考え、インテリアショップで働きました。その後、関東のコーヒーマシンのメンテナンス会社に就職。バリスタとしてコーヒーマシンのメンテナンスや修理技術は必要だと思ったし、関東に出てコーヒーに関する最新の情報や知識を得たいと思ったからです。


稚季さん(以下 稚) : 僕は高校卒業後タリーズコーヒーに1年間就職しました。その後、約3年半ドコモショップで働きました。開業に向けてしっかり資金を貯める為と、接客について学ぶ為です。コーヒーショップも接客業でしたが、あまり1人のお客様と長くお話することはありません。お客様一人ひとりと長くお話する機会はどこだろう、と考えた時に思いついたのが携帯ショップでした。


- す、すごい!良い意味で計算高い!(笑)開業に向けてお互いに必要なキャリアを積み上げて行ったのですね。夢紘さんは店舗作りに必要な事を、稚季さんは資金と接客スキルを。2人だからこそ、それぞれが役割を担えるんですね。


夢 : そうですね。ゴールは一緒だけど、積む経験やアプローチは明確に分けて進めました。


- その後めでたくOBROS COFFEEを開業しましたが、その1年後に稚季さんがOBROS COFFEE 1095の活動をスタート。離れた拠点で別々に活動することになってどんな変化がありましたか?


夢 : 正直…弟がお店から抜けて、本当に、めちゃくちゃ大変でした。弟は経理などの事務仕事も担当してくれてたんですが、自分でやってみるとその部分が大変で。2人で経営していた時は、ものすごく運営しやすい環境でやらせてもらえてたんだんなって。どちらかというと僕が表舞台に立って取材を受けたり、お店の顔になる事が多かったんですが、弟が裏の見えない部分で基盤を作ってくれていたから。それが無くなった時にすごい苦労して。そういう大変さとかありがたみってわかってはいたんですけど、改めて実感しました。弟がいなくても出来なきゃ、自立しなきゃ、という焦りもありました。


- へぇー!見ている側にはそんな苦労あまり伝わって来なかったのに!その大変さは長く続いたの?


夢 : そうですね。だいたい1年くらいは大変でした。スタッフたちにバリスタの役割を完全に任せられるようになってから、やっと落ち着いて経営に集中できるようになりました。



- では、稚季さんはどうでしたか?夢紘さんと離れて感じた事はありましたか?


稚 : 別々になって兄と比較されることが増えて、改めて「自分はコーヒーを淹れることしかできないんだ」って感じました。

つまり、、、一言でいうと『センス』と言われるものが僕には皆無だったんだなって。実際にお客様からご指摘いただくこともあり、

愛の鞭として受けとめていました。お店のブランディングやSNSでの発信など、兄がOBROS COFFEEで担ってくれていた部分がどれだけ難かしかったか。



- なるほど。離れてみて改めて、二人で経営してしていた強みを感じたのですね。さて、その二人が5月28日の3周年に揃ってOBROS COFFEEの店頭に立ちますが…ずばり聞きます!稚季さんは、今後またOBROS COFFEEとして共にお店作りをしていくのでしょうか?


稚:はい、僕はOBROS COFFEEに合流します。1095の目標である焙煎所を設立できたら、1日でも早くOBROSチームに戻るつもりです。


- それは完全にロースターなるということ?


稚:主にロースターとしてコーヒー豆を焙煎します。ただ、それだけに徹するわけではありません。機会は少なくなりますが、コーヒーを淹れたり、他の業務も行う予定です。


夢:僕が店舗運営(ディレクター)、弟がロースター、植田くんと茜さんがメインバリスタという役割分担です。弟が焼いたコーヒー豆を僕たちのオフィシャルの豆として、メインで提供していくことになります。


- 稚季さんが焙煎を学び始めた当時から、いずれは稚季さんの豆をOBROS COFFEEで提供する計画でしたか?


夢:弟はもちろんそのつもりでしたが、完全にそうすると決まってはいませんでした。焙煎が難しいのも知っていたし、弟の焙煎技術がどこまでのレベルになるかもわからなかったですし。お店で出す以上は最高品質の味にならないと出せないなと思っていたので。

ただ、、、、あの、これ、弟に対して言うのもすごい恥ずかしいんですけど、、、弟が焙煎を始めて1年くらいの頃に焙煎した豆が、「あれ!?これめっちゃ美味いな!!」って。悔しいくらい美味しくて。その時、弟にはあまり反応を見せずにいたんですが。


稚:それ、初耳。(笑)


夢:その時期から、弟の豆がOBROS COFFEEの中心になっていくのが見えてきました。


- 稚季さんがチームに戻ることで、OBROS COFFEEはどうパワーアップするの?


夢:OBROS COFFEEでは、これまで以上に美味しいコーヒーを追求できるようになります!

実は「コーヒーの美味しさ」にはロースターとバリスタの関係性がとても重要なんです。一般的にはあまり両者が連携することはなく、ロースターが焙煎した豆があくまで商品として納品されるだけなんです。バリスタから焼き方についてリクエストしたり、お店ごとにカスタマイズされることはありません。そんな中でも現在コーヒー豆を扱わせていただいているアンリミテッドコーヒーロースターズとの関わり方は、一般のロースターとバリスタの関係性とは違って特殊で、バリスタとしてのトレーニングをしてくださったコーチだったので、とても密なものです。だからこそバリスタの気持ちも汲んで焙煎をしていただいているため、ゲストの皆様にも味が分かりやすく、かつ伝わりやすいんです。さらにこれからは、弟と組むことでもっと密にコミニュケーションをとって連携できるため、これまで以上にドリップとしての最高の味、エスプレッソとしての最高の味を提供できるようになります。弟はOBROS COFFEEの現場にも立っていたし、ロースターであると同時にバリスタでもあるからこそです。

また、弟には、ぜひもっと豆のポテンシャルにもトライしてもらいたいと思っています。ゲストの方に、飲みやすさだけでは無い、まだ味わった事のない味覚体験をしていただけるように。


- なるほど。OBROS COFFEEという土台があるからこそ、ロースターとしてもっとチャレンジできる!という事ですね、


夢:はい!とはいえ、きっと僕の方から味についてリクエストを出すことは無いと思いますね。【ワッキーが焼いたら美味い】と信頼しているので、細かな注文はせず、「100点満点の豆をください」としかいわないと思います。それを100点に近い状態でお客様に提供するのみです!


- 稚季さんはどうですか?


稚:僕も、兄弟だからこそ対等な関係でコミニュケーションを取れることは強みだと思います。どうしてもバリスタとロースターはどちらかが上になってしまうケースも多くて。お互いに対等であれば常に本音でやり取りできるので、より良い味を追求できると思います。

また、ロースターとしてはOBROS COFFEEという大きな卸先があることで、マーケットを大きくすることができます。マーケットが大きくなれば、たくさんの種類の生豆が買えるし、良い品質の生豆を買うことができます!結果的に、今までに飲んだ事のないような、感動するコーヒーをお客様にご提供できるようになります!

OBROS COFFEE 1095が始動した時、最初は1種類のコーヒー豆を2kg焙煎することから始まりました。ちなみに2kgは8分程で焙煎できるので、当時はこの8分間の為にバスで往復9時間かけて東京に行っていました(笑)。そして2年経った現在は、僕が焙煎したコーヒー豆をご購入していただいているお客様、お取扱いをして頂いている店舗様のおかげで、複数の種類を20kg以上焙煎ができるまで、マーケットを拡大することができました。


- 2kgから20kg…この2年間の努力と活動の成果ですね。それをさらに大きくしていくんですね。


稚:はい!これからOBROS COFFEEと合流することで、さらに10倍マーケットを大きくしたいと考えています。加えて焙煎機のシェアやコーヒー豆の卸、トレーニングなども予定しています。それと「浅煎りコーヒーを広める」という目標は1人ではなかなか難しかったですが、兄とまた一緒に組むことで、1+1以上の効果が期待できて、ワクワクしています!


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稚季さんがOBROS COFFEE 1095を終える時、それは新しいOBROS COFFEEのスタートなのですね。経営者として様々なチャレンジをしながらスタッフを育て、経験を積んできた夢紘さん、ロースターとして日本・韓国のロースターが集う焙煎大会で優勝するほど腕を磨いてきた稚季さん。やっぱり只者ではない荻野兄弟。

これからOBROS COFFEEが見せてくれるであろう新たな、そして最高の感覚的体験を楽しみに、またお店に足を運ぼうと思います。


Interviewer & Editor:太田亜寿沙